弁護士工藤寛太(京都弁護士会所属)の労働事件研修

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会所属)。

本日は、労働事件研修についてのブログです。

京都弁護士会館において開催される研修の1つとして、先日、新人弁護士を対象とした労働事件研修が行われました。労働事件研修では、労働法に関する基礎知識と、弁護士として労働事件を解決に導くための手続・方法について学びました。

このブログでは、労働事件を解決するための手続についてご紹介したいと思います。

労働事件の解決手続は、大きく分けると、司法によるものと行政によるものに分類することができます。司法によるものとしては、労働審判民事訴訟、民事調停などがあり、行政によるものとしては、都道府県労働局や労働委員会による相談・あっせん手続、労働基準監督署による取り締まりなどがあります。

とりわけ、平成1841日から始まり、利用者が年々増加している労働審判が、労働事件の解決手続として注目されます。労働審判とは、裁判官と労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する労働審判委員会が、事件を審理し、調停(話合いによる解決)を試み、調停が成立しない場合には審判(労働審判委員会による判断)を行う手続です。労働審判手続は、原則的に3回以内の期日で行われますので、迅速な紛争解決が期待できるというメリットがあります。

もっとも、この手続は、労働者・企業間の紛争を対象としているため、労働組合・企業間の紛争では、この手続を利用することはできません。また、原則3回以内の期日で行われますので、証拠の多い事件や複雑な事件は労働審判になじみません(労働審判不適当と判断され、手続が終了することもあります。)。

このブログでは、労働審判の制度をご紹介しましたが、労働事件を解決するための制度は他にもたくさん設けられています。ほかの制度についても、これからのブログでご紹介できればと思っています。