休日の法的意味

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会所属)。

 本日は、連休明けのブログということで、「休日」の法的意味についてのブログです。

 

弁護士の仕事においては、期限というものが大変重要になってきます。もちろん、弁護士に限ったことではなく、どの仕事でも期限が大事であることは間違いありません。しかし、弁護士の仕事においては、法令が定める絶対的な期限というものが多数存在し、それを過ぎてしまうと、たとえ泣いて懇願しても、絶対に覆りません。

例えば、民事事件において、第1審に不服があって、弁護士が控訴を申し立てる場合、控訴期間は、判決書の送達を受けた日から2週間とされています。この2週間を過ぎてしまうと、弁護士が裁判所書記官に土下座して泣きついても、控訴はできません。

 

さて、期限を考えるに当たって問題となるのが、休日です。期限となる日が休日だった場合、休日後に手続すればよいのか、休日前に手続しなければいけないのか。そもそも、休日とは何か、土曜日は休日なのか、正月3ヶ日は休日なのかなど、法的にはどのような定めになっているのかが問題となります。

 

日常生活で期限が問題となる場面としては、納税期限があります。納税期限についての法令の定めは次のようになっています。

 

国税に関しては、期限となるべき日が、日曜日、国民の祝日に関する法律規定する休日その他一般の休日又は政令で定める日に当たる場合は、当該日の翌日が期限となります(国税通則法10条)。

「一般の休日」とは、日曜日、国民の祝日以外の全国的な休日であり、12日及び3日が含まれます(国税通則法基本通達(徴収部関係)第3節第10条関係)。

「政令で定める日」とは、土曜日又は1229日、同月30日、同月31日です(国税通則法施行令22項)。

振替休日については、国民の祝日に関する法律32項が、「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする、と定めています。祝日が土曜日と重なっても振替休日が発生しないという悲しい仕組みになっているのは、この規定に根拠があるようです。

 

まとめると、国税に関しては、土曜日、日曜日、国民の祝日、振替休日、1229日から31日、12日と3日が「休日」であり、納税期限がこの日に当たる場合には、その翌日までに納税すればよいこととなります。

地方税についても、地方税法20条の52項、地方税法施行令6条の182項に、国税と同様の規定があるので、同じルールになります。

 

納税以外にも、休日の概念が問題となる場面があると思われます。弁護士業務の中で、その場面に遭遇すれば、またブログで紹介したいと思います。