弁護士工藤寛太(京都弁護士会所属)の司法修習案内(2)

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会所属)。

本日は、司法修習の内容についてのブログを書きたいと思います。
司法修習は、その期間は1年と短いのですが、その内容はとても濃厚で、1回のブログでは書ききれません。そこでまず、本日は、現在の司法修習の流れについてご紹介します。

 

司法修習は11月末から始まるのですが、それから7月末までは、分野別実務修習と呼ばれる修習を受けることになります。分野別実務修習は、全国47都道府県で実施され、司法修習に参加する約2000人が全国各地に配属されます。この配属地がどこになるのかというのが、司法試験合格者の最大の関心事です。配属地希望を第5希望まで書いて提出することができるのですが、東京・大阪・名古屋・横浜・京都などの都市部は人気が高いので、希望したとしても配属されるとは限りません。全く縁もゆかりもない土地に配属されることになる人もたくさんいます。
この分野別実務修習では、民事裁判修習・刑事裁判修習・弁護修習・検察修習の4つを、それぞれ2か月ずつ行います。これらの具体的な内容については、追ってご紹介しようと思います。

分野別実務修習が終わった7月末からは、集合修習又は選択型実務修習に入ります。修習生全員が、A班とB班に分けられ、A班は7月末から9月末まで集合修習を行い、9月末から11月末まで選択型実務修習を行います。B班はその逆です。なお、このA班とB班は、配属地によって分けられており、東京・大阪近郊の配属地の人がA班、それ以外の人がB班です。例えば、京都はA班、名古屋はB班になります。
集合修習は、埼玉県和光市にある司法研修所で行われ、選択型実務修習はそれぞれの配属地で行われます。この2つの詳細も追ってご紹介します。

11月末に以上の修習プログラムが全て終了し、その後、2回試験と呼ばれる修了試験を受験します。それに合格すれば、晴れて裁判官・検察官・弁護士となることができます。

 

裁判官や弁護士が、「お金を払ってでも、もう1回司法修習を受けたい。」と言っているのを、司法修習中によく耳にしました。弁護士となった今、その気持ちがとてもよく分かります。もちろん、「司法修習中の1年間はものすごく楽しかったので、もう1度修習の仲間と1年間一緒に過ごしたい」という意味でも、もう1回司法修習を受けたいと思います。しかし、それと同時に、「ここをもっと見ておけばよかった。聞いておけばよかった。」と、弁護士となった今になって思うことがたくさんあります。