弁護士工藤寛太(京都弁護士会所属)の法教育出張授業

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会所属)。

本日は、京都弁護士会教育委員会の出張授業についてのブログです。

京都弁護士会は、京都府下の学校に弁護士を派遣して授業を行うという出張授業を実施しています。京都弁護士会が学校に広告を出し、学校から「こういったテーマでの講義を希望します」という申し出があれば、それに応じて、弁護士を数人派遣して、講義をするという制度になっています。

先日、私も京都府内のとある公立高校に行き、弁護士講師として授業をしてきました。高校の校舎に最後に立ち入ったのは、かれこれ10年以上前のことで、体育館から聞こえてくるバスケットボールを突く音、休憩時間のガヤガヤした校舎内、教室内に所狭しと並べられた机と教卓、黒板とチョーク、全てが懐かしく、約1時間限りの弁護士講師とはいえ、教師として高校に来たことに少し感激していました。

さて、肝心の授業の内容ですが、今回の授業のテーマは「男女の法律問題~デートDV~」です。耳慣れない言葉かもしれませんが、なんとなく意味は想像できるかと思います。結婚していないカップルの間で起こる暴力(精神に対するものも含むとされています。)のことです。
彼氏が彼女の暴力を振るう、このような現象はごくごく限られたカップルでしか生じていないことだろう、と私は最初考えていました。授業の中で、生徒に「何組に1組くらいの割合で起こっていると思う?」と聞いても、20組に1組、30組に1組、そういった回答がほとんどでした。しかし、3組に1組の割合でデートDVが発生しているという報告があるそうです。
こういった報告を踏まえて、デートDVは決して他人事ではないこと、デートDVの原因、被害に遭わない・加害者にならないための対策、についての授業を行いました。

私は、男女の法律問題について適切に伝えつつも、明るく楽しく授業をしたい、できることならば教室中にドッと笑いが起きるような面白いことも言いたい、そう考えて授業に臨みました。おそらく、ほかの弁護士講師の方々もそうであったに違いありません(もちろん、まじめに人権について切々と語る弁護士講師もいたかもしれませんし、それが京都弁護士会の期待する授業なのかもしれませんが…。)。しかし、明るく楽しく、笑いの起こる授業というのは難しい。こちらから生徒に質問しても、なかなか自発的に回答してはくれません。「これは笑いが巻き起こるだろう」と思って発言したのに、先生の愛想笑いしか聞こえてこない、といったこともありました。しかし、誰かを指名して答えてもらうと、しっかり練られた回答が返って来るので、生徒はみなそれぞれしっかりデートDVの問題について検討してくれているようでした。また、先生を指名して回答してもらったり、色々な生徒を指名して対話をしているうちに、少しずつ打ち解けて、生徒の笑い声も聞こえるようになってきました。

最後の質疑応答では、「弁護士はいくらもらえますか」、「先生は彼女いますか」など、講義とは全く関係のない質問ばかりでした。生徒が楽しんでくれたのかどうかは分かりませんが、私はとても面白かったですし、また弁護士講師の依頼が来れば、ぜひ受けたいと思っています。

今回も、また写真のない殺風景なブログになってしまいました。これからは、写真を載せて、視覚的に美しいブログを書いていこうと思います。