弁護士工藤寛太(京都弁護士会所属)が紹介する、法律事務所のルール

京都の弁護士、工藤です(京都弁護士会所属)。

最近、弁護士や司法書士のテレビCMが増えてきたこともあってか、「法律事務所と法務事務所の差が分からない。」、「弁護士も司法書士も、過払金の請求についてCMをしているけど、弁護士と司法書士はどう違うのか。」という質問を受けることがあります。そこで、本日は、法律事務所についてのブログです。

弁護士が仕事をしている事務所のことを法律事務所と呼びますが、この法律事務所という名称の使用は、弁護士にしか認められていません(弁護士法74条)。一方、法務事務所は、司法書士行政書士の先生方が仕事をしている事務所のことをいいます。法務事務所という名称は、誰が使ってよい、使ってはいけない、というルールは特にないようです。

法律事務所は、その弁護士の所属弁護士会の地域内に設置しなければならず、2か所以上の法律事務所を設けることは禁止されています(弁護士法20条2項、3項)。例えば、京都弁護士会に所属しながら、大阪に法律事務所を構えることはできません。京都に2箇所の法律事務所を構えることもできません。北海道には、札幌弁護士会旭川弁護士会、釧路弁護士会及び函館弁護士会という4つの弁護士会があるのですが、「その弁護士の所属弁護士会の地域内に設置しなければならない」というルールなので、同じ北海道内でも、札幌弁護士会に所属している弁護士が、旭川弁護士会のエリアに法律事務所を構えることはできません。

しかし、弁護士法人は、所属弁護士会の地域外に法律事務所を設けることができます(弁護士法36条の2第2項)。弁護士法人化するメリットはいろいろありますが、複数の法律事務所を構えることができるというのは、ひとつの大きなメリットということができます。

弁護士と司法書士の役割の違いについては、後日のブログでご紹介できればと思います。

写真は、ブログとは何の関係もありません。とある日の京都の鴨川の様子です。

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