弁護士工藤寛太(京都弁護士会所属)の裁判傍聴案内

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会所属)。

本日は、裁判傍聴についてのブログです。

 

京都弁護士会の委員会があったため、京都弁護士会館へ行くと、京都地方裁判所の前に行列ができていました。おそらく、京都地裁で開かれる裁判の傍聴券を求める人の列ではないかと思います。

 

裁判は、誰でも傍聴することができます。憲法82条1項は、「裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。」と規定しており、裁判の傍聴は憲法上の権利として保障されています。

憲法上の権利として保障されていることから、基本的には、誰でもいつでも自由に裁判を傍聴することができます。裁判所に入るのは緊張されるかもしれませんが、裁判所は誰でも自由に出入りすることができますし、法廷に入るのに申請や許可は必要ありません。

しかし、世間の耳目を集める事件では、傍聴席数をはるかに超える傍聴希望者が集まることがあり、その場合には傍聴券がなければ、法廷に入ることができません。傍聴券配布の情報はどのようにして取得するのかというと、裁判所のホームページに掲載されています。集合場所と集合時間が掲載されており、当日そこへ行くと、整理券が配布されます。抽選に当たれば、傍聴券が手に入り、法廷に入ることが許可されます。

 

傍聴券とは関係なく、そもそも公開されないルールになっている裁判もあります。
まず、憲法82条2項は、「裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。」と定めています。

このほかにも、法律により非公開とされているものもあります。例えば、少年法22条2項は、「審判は、これを公開しない」として、家庭裁判所少年審判を非公開としています。また、民事調停や家事調停も、その手続は非公開です。

 

裁判の当事者は、自分の人生がかかっているという方ばかりです。そのため、遊び半分で傍聴することは適切ではないと思います。しかし、面白い(興味深い)裁判があるのもまた事実です。昨今、弁護士の就職難や司法試験の合格率低下が話題になり、法律家を目指す人が少なくなっていると言われていますが、とりわけ高校生や大学生には、裁判を傍聴して、裁判官、検察官及び弁護士の仕事に興味を持ってほしいと思います。