京都の弁護士真田千雅子(京都弁護士会所属)の自転車交通ルール紹介

こんにちは、京都の弁護士の真田千雅子です(京都弁護士会所属)。

 

昨日は、京都弁護士会で開催された自転車交通事故に関する研修会に出席してまいりました。

 

近年、自転車が歩行者と衝突し、それにより歩行者が死亡したことから、高額な損害賠償請求が認められる事案が出てきています。

このことから、自転車は免許が不要な乗り物であるからといって、道路上を自由気ままに走行すると、取り返しのつかない事態が生じてしまうため、自転車の走行態様を軽視すべきではありません。

 

 

皆さんは、自転車に乗る際、どこを走行すればよいか知っていますか?

実は、道路交通法(以下、「道交法」といいます。)上に自転車が走行すべき場所の規定があります。

したがって、道交法に定められた場所以外を走行すると、道交法違反になるのです。

 

道交法上、自転車がどのように定義されているかといいますと、「ペダル又はハンドル・クランクを用い、かつ、人の力により運転する二輪以上の車であって、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のもの」とされています(同法2条1項11の2)。

上記定義からすると、電動式自転車も自転車に含まれることが分かります。

 

では、自転車が走行すべき場所については、道交法でどのように規定されているのでしょうか。

 

①歩道と車道の区別のある道路では、車道の左側を走行しなければなりません(同法17条1項)。

 車両通行帯がない場合は車道の左側端を(同法18条)、車両通行帯がある場合は原則として一番左側の車両通行帯を走行しなければなりません(同法20条)。

 もっとも、車道上に自転車道がある場合は、原則として自転車道を走行しなければなりません(同法63条の3)。

 

②例外として、道路標識等で歩道の走行が許可されている場合や、運転者が70歳以上の高齢者や児童等であるとき、自転車の通行安全確保のために歩道通行がやむを得ない場合などについては、自転車が歩道上を走行することも許容されています。

 

上記のほかにも、道交法では自転車の走行上の義務について様々な規定が置かれています。

もし、自転車を運転している際に事故を起こしてしまった場合、運転者が道交法上の義務に違反した走行態様をしていたとなると、より高額な損害賠償請求をされるおそれがあります。

 

もっとも、自転車は自動車等に比べて環境負荷の少ない乗り物であり、かつ小回りのきく大変便利な乗り物であるため、今後も自転車の需要は減らないだろうと考えられます。

したがいまして、事故を起こさないよう、きちんと法令を順守した上で乗車することが大切だ、と肝に銘じながら研修会後は自転車で当事務所まで帰りました。