京都の弁護士鈴木順子の離婚のポイント紹介(面会交流について①)

新年あけましておめでとうございます。

京都の弁護士の鈴木です。

弊所は、昨日1月4日が仕事始めでした。

また1年、新しい気持ちで精進してまいりたいと思います。

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さて、今回は、前回予告しておりました、離婚の際のポイントの1つ、面会交流についてのブログです。

 

面会交流とは、離婚後親権者・監護者とはならず、子を監護養育していない親とその子が面会し、交流することを指します。

要するに、離婚後離れて暮らすことになった親子が、会って、話をしたり、遊びにいったり、食事をしたりするなどの交流を行うことです。

10年以上前の裁判所では、「面接交渉」という呼び方をすることが多かったのですが、改正民法に、協議上の離婚をするときに、「父又は母と子との面会及びその他の交流」等を定めると規定されていることから、最近では「面会交流」と呼ばれることが一般的となっています。

 

面会交流権は、法律上は、親として有する固有の権利であり、人格の円満な発達に必要な両親の愛育を求める子の権利であると考えられています。

もちろん、離婚後子どもと離れて暮らす親(法律上「非監護親」といいます。)にとっての権利であるということは、子どもと一緒に暮らしている親(法律上「監護親」といいます。)にとっての義務ということになります。すなわち、「監護親は、非監護親が子と面会交流することを許さなければならない」とされているのです。

面会交流について、夫婦間の話合いがまとまらない場合には、裁判所が、面会交流の日時や場所等を決めることになります。

具体的には、面会交流について条件を決めることを求める夫婦の一方が、他方を相手方として、裁判所に調停や審判を申し立てることになります。

裁判所は、調停の申立てがあった場合、期日を定め、夫婦双方を裁判所(京都市内に住所がある夫婦の場合は出町柳京都家庭裁判所)に呼び出します。

その上で、裁判所の職員(調停委員)を通じて、双方の言い分を聴取し、合意が可能な条件について話し合うことになります。話合いがまとまれば、話合いで決まった条件で面会交流が行われることになりますし、話合いがまとまらなければ、裁判所が双方の言い分や子どもの利益等諸般の事情を考慮して、適当な条件を定めることになります。

面会交流の条件を決めるにあたっては、何より子どもの福祉が尊重されます。実際、家庭裁判所において、面会交流の条件が定められるにあたって、子ども本人の意思を確認することが必要となる事案もあります。その場合には児童心理等の専門家(家庭裁判所調査官)が子ども本人と面談してその意思を確認することもあります。また、子どもが非常に幼いうちから長期間非監護親と別居していたケースなどでは、子どもが非監護親とどのように接するか、家庭裁判所において、試しに会って見極めた(このような面会交流を「試行的面会交流」といいます。)上で面会交流の条件を定めることもあります(多くの家庭裁判所にはおもちゃなどが用意された部屋が設けられており、その部屋で試行的面会交流が行われることが多いです)。

離婚の際に、親権・面会交流の条件が争いになる事案を何度も担当させていただいたことがありますが、どのような話合いによって、どのような条件が定めるかは事案ごとで全く違うと感じます。家庭裁判所調査官が関与するケースは少なからずありますが、お子さん本人が家庭裁判所調査官と面談等するケースはそう多くないのではないか、と感じています(決して珍しいわけでもないですが。)。

 

離婚の法律相談を担当させていただくと、「離婚する時に面会交流の条件を決めたけれど、子どもが相手の親に会いたくないと言っているので、会わせない。」とおっしゃる方がおられますが、法的には、上記監護親の義務違反となります。

それでは、義務違反の場合、どういったことが起こりうるのか。これについては、次回のブログでご案内いたします。