弁護士鈴木順子の離婚のポイント紹介(婚姻費用について①)
こんにちは、京都の弁護士、鈴木順子です。
京都もだいぶ穏やかな気候になり、桜も綺麗に咲き出しました。
気温の上がり下がりが激しく、花粉も激しく舞う時期で、
大変なところもありますが、
綺麗に咲いた花を見ると、やはり心も浮き立つような気がいたします。
さて、今日は、離婚の際に問題となることが多い、婚姻費用についてのブログです。
離婚のご相談をうける際に、今の状況をお伺いすると、
「身の回りの物だけ持って、自宅を出た。生活は、パートの収入と貯金を切り崩しているが、もうすぐ貯金がなくなりそうで、生活が苦しい。」というお話や、
「単身赴任をきっかけに別居を開始したが、妻のいる自宅の住宅ローンや水道光熱費・携帯電話代金等全て自分の口座から落ちているので、手元にほとんどお金が残らない。」といったお話を聞くことがあります。
離婚が成立するまでの間は、たとえ夫婦仲が冷え切っていたとしても、法律上夫婦であることに変わりがないため、一定の範囲では夫婦として課せられている義務を負うことになります。
そのうちの1つが、夫婦は生活費を分担する義務を負っていること(婚姻費用の分担義務)です。
ここでは、夫婦は、一方が自分の生活を保持するのと同程度の生活を他方にも保持させる必要があるものと考えられています。
婚姻費用の具体的な決め方については、次のブログでご案内いたします。
京都の弁護士鈴木順子の誕生日に関する法律紹介
こんにちは、京都の弁護士鈴木順子です。
今日は4年に1度の2月29日ですね。
2月29日生まれの方は、誕生日が4年に1度しかカレンダーに登場しないことになりますが、閏年でない場合の法律上の「誕生日」、つまり1つ年を重ねたことになる日はいつになるのでしょうか。
2月28日にお祝いをされる方も3月1日にお祝いをされる方もいるかと思いますが、実は法律的な意義での誕生日を定めてる法律があります。
「年齢計算ニ関スル法律」といって、明治時代にできた法律なのですが、
第1条に「年齢は出生の日より之を起算す」
第2条に「民法第143条の規定は年齢の計算に之を準用す」
とあります。
どういうことかといいますと、法律上、年齢を計算するときは、実際に生まれた日を初日に算入することになるので、たとえば、3月3日生まれの方は、3月2日の24時に1歳年を取ったということになると決めているわけです。
ですので、今日生まれた赤ちゃんは、来年の2月28日の24時をもって、1歳になるとの扱いになります。
通常年を取った直後の日に誕生日をお祝いすることになりますので、この法律を考えた人は、2月29日生まれの方は3月1日にお祝いすることを想定していたのだと思います。
とはいえ、月をまたいでしまうので、何となく違和感を覚えられる方もいらっしゃるかもしれません。
身近に2月29日生まれの方がいらっしゃったら、お祝いされる際に豆知識として楽しんでいただければ幸いです。
京都の弁護士鈴木順子の刑事弁護活動(接見)
こんにちは、京都の弁護士の鈴木です。
京都はまだまだ寒いですが、今日は日差しが温かく、
建物の中よりも外の方が温かく感じます。
さて、本日は、この間とは変わって、
刑事弁護活動のうち、接見についてのブログです。
透明なアクリル板越しに弁護士と向かい合った人が「私はやってないんです・・・!」と叫ぶシーンは、テレビのサスペンス番組ではおなじみかと思います(学生の頃に見たシーンなので、ちょっと古いかもしれませんが)。
ただ、あのやりとりが行われている場所がどこを想定したものなのか、ご存知でない方も多いのではないでしょうか。
刑事訴訟法の大原則にのっとるならば、拘置所
実際に弁護士等に取材していたならば、警察署
が正解だと思います。
私自身が、どこで最初に被疑者(逮捕された場合の刑事訴訟法上の呼称)に会うのか、と聞かれると、警察署、と回答すると思います。
拘置所は、まだ刑が確定していない人などを収容する刑事施設です。
懲役刑等が確定した場合に行くことになる刑務所とは、裁判が終わったか否かという点で違いがあります。
(なぜ実際には刑事訴訟法の大原則のとおりではないのか、という点はかなり大きな問題があるのですが(「代用監獄問題」と言います。)、この記事では割愛します。)
また、弁護士(弁護人)と弁護士以外の方の面会には、いくつか違いがあるのですが、そのうちの大きな1つは、弁護士の面会は立会人なしで行えるという点かと思います。
昔私が見たテレビドラマで、弁護人と接見している被疑者の後ろに書記をしている警察官がいるというシーンがあって、飲み物を吹き出してしまったことがあります。
実際に警察官の立会があれば(正直考えがたいのですが)、即座に退席を求めることになります。正式に抗議なども検討しないといけない事態だといえます。
他にも、実際の現場ではありえないシーンを見つけたら、ブログでご紹介させていただきます。
京都の弁護士鈴木順子の離婚のポイント紹介(養育費について③)
こんにちは、京都の弁護士鈴木順子です。
今日は節分ですので、コンビニなどで恵方巻が売られているのを良く目にします。
私はもともと大阪の生まれですので、幼いころから恵方巻に慣れ親しんでいたので、
恵方巻は、以前は大阪あたりでのみ行われていた習慣だったことを最近知りました。
平成10年ころに全国に広がり始めたそうです。
今日は、豆まきと恵方巻で、無病息災を祈りたいと思います。
さて、今日は、前回に引き続き、離婚の際のポイントとして、養育費をご案内します。養育費の金額はどのように決めるのか、についてのブログです。
養育費の金額は、前回のブログでご案内したとおり、原則として、裁判所で使用されている算定表に基づいて行われることになります。
実際のところ、家庭裁判所における調停・審判では、この算定表の基準が通用しています。
ただし、この基準が万能というわけではなく、養育費が子どもや父母の事情によって、裁判所の算定表の基準とは異なる金額が決められるケースもあります。
たとえば、子どもに高度の障害があって、つきっきりの介助が必要な場合などです。
算定表では標準的な医療費しか考慮されていないため、それを超える医療費は一定程度考慮されます。
また、監護親(子どもを引き取る親)が働いていない場合、通常子どもが大きくなってくると、潜在的稼働能力(働こうと思えば働くことができる能力)があるとして若干の収入があると判断されることになりますが、つきっきりの介助が必要であれば、潜在的稼働能力は認められず、収入は0として判断されることになり、結果的に養育費の金額が高く判断されます。
このように、いかに裁判所がもともと養育費の基準を定める際に想定していなかった事情があるかを説明することが重要になります。
具体的に、特にお金が必要な事情があるという場合には、家庭裁判所等で積極的に主張をしていく必要があります。
可能であれば、当事務所をはじめ、弁護士等の専門家にご相談いただければ、と思います。
京都の弁護士鈴木順子の離婚のポイント紹介(養育費について②)
こんにちは、京都の弁護士の鈴木順子です。
ここ数日、数十年ぶりの寒気の到来とのことで、京都もすっかり冷え込んでいます。
先日は、鴨川の水路が凍ったとのニュースもあり、
こういったニュースを聞くだけでも、寒さをつらく感じます。
ただ、御池通り沿いで、12月でも花が開く不断桜という種類の桜が、この寒さのなかも咲いていて、少しだけ視界を温かくしてくれています。
今日は、先日に引き続き、離婚の際のポイントの1つ、養育費の金額についてのブログです。
子どもの養育費をいくらと決めるか。多くのケースでは、離婚をすることを決めた子どもの両親が話し合って決めるということになると思います。
離婚をする両親が話し合っても、養育費の金額が決まらない場合や、様々な事情で話合い自体が難しい場合、次の手段として考えられるのは、家庭裁判所の養育費請求調停です。
養育費請求調停は、家庭裁判所において行われる、養育費の金額等についての話合いのことです。原則として、当事者が直接話をするのではなく、調停委員という第三者を通じて話合いを進めます。
実際にどのような話し合いがなされるのか、ですが、まずは当事者双方の希望が聞かれます。その後、多くの場合、調停委員は、「養育費の算定表によると・・・」と切り出してきます。
養育費の算定表は、裁判所のHPにも掲載されており、どなたでもご覧いただけます。文字通り、両親の収入、子どもの数と年齢を主たる要素として、養育費がいくらになるのかが表の形で表されています。
たとえば、子どもが2人(長男が16歳、長女が12歳)いる夫婦が離婚を決意し、子どもは2人とも母親が引き取って育てるといったケースで、父親(サラリーマン)の年収が額面約600万円、母親(パート)の年収が約90万円の場合、裁判所の算定表に基づくと、養育費は合計8~10万円(子ども1人につき、4~5万円)と算出されることになります。
この算定表の金額を1つの目安に、家庭裁判所の調停において、折り合いをつけることのできる金額を話し合うことになるのです。
ただ、子どもを取り巻く事情は千差万別ですので、単純に子どもの年齢・人数と両親の年収のみで養育費の金額を決めてしまうことが、あまりにも不合理であるといった事案もあります。
そのような場合、養育費の金額がどのように決められるのか、については、次回のブログでご紹介します。
京都の弁護士鈴木順子の離婚のポイント紹介(養育費について①)
こんにちは、京都の弁護士の鈴木順子です。
今日は全国的に気温が下がり、雪で交通網等がかなり乱れているようですね。大変な思いをされた方も多いかと思います。
京都でも雪がふり、寒々とした1日でした。
今日は、先日の面会交流に引き続き、離婚のポイントの1つ、養育費についてのブログです。
養育費とは、未成熟子が社会人として独立自活ができるまでに必要とされている費用を指します。
未成熟子とは、社会的に独立していない子を指す用語で、基本的には未成年者を指しますが、そうでない場合もあります(後で詳しくご案内します。)。
離婚に関する法律相談をお伺いしているなかで、既に離婚は成立しているものの、離婚の際に決めたのは親権だけで、養育費についてしっかり決めないまま離婚してしまった、生活が苦しいがどうしたらよいか、という趣旨のご相談を受けることがあります。
法律上は、離婚の際に決めるべき事項の1つとして、「子の監護に要する費用の分担」が挙げられており、養育費を誰がいくらいつまで支払うべきか、離婚の際に決める必要があるとされています。
しかし、日本の実務上、離婚すること、未成年の子どもの親権者をいずれにするか、その2つについて双方が合意していれば、養育費その他の事項を定めずとも、離婚届の書式を整えることができます。書式の整った離婚届を提出すれば、離婚が成立し、戸籍上も夫婦ではなくなります(ただし、未成年の子どもの戸籍を変えるには別の手続きが必要となります。)。
一刻も早く離婚したいという方にとっては、たしかに便利な制度なのです。
しかし、一般論に、養育費等離婚の際に決めるべき事項について、離婚後に決める場合には、離婚前に決める場合と比較して、双方にとって、その労力・負担(場合によっては費用)がかなり大きくなります。
AB間の離婚においてCの養育費を決める場合、弁護士が関与していると、
「Aは、Bに対し、Cの養育費として、平成28年1月から同人が満20歳に達する日の属する月までの間、月額5万円を毎月末日限り、××銀行○○支店のC名義の普通預金口座(口座番号△△)に振り込む方法により支払う。」
などの決め方をします。
この1文は、父親Aは母親Bに対し、Cの養育費として、平成28年1月31日からCが20歳になる月の末日(たとえば、Cが平成20年10月1日生まれであれば、平成40年10月31日)までの間、毎月5万円をC名義の口座に振り込まなければならないことを規定しています。
このような定め方をすると、養育費を誰がいくらいつまで支払うべきか、具体的にどこに振り込むのか、誰が見ても明らかであるといえます。
養育費についてきちんと定めていた場合は、万が一、Aが養育費を支払わなくなったとしても、BはAの給与や財産を差し押さえることにより、養育費を確保することが可能になるのです(もっとも、養育費の定め方次第では、給与等を差し押さえる前に訴訟等を提起しなければならない場合もあります。)。
それでは、養育費はいつまで支払うことになるのか。基本的には父母の話し合いによって決まることになりますが、家庭裁判所においては、離婚する夫婦間の子どもが未成熟子といえる期間まで、と考えています。
基本的に未成年者の間は未成熟子であると考えられていますが、父母の学歴、生活レベルに鑑みると、子どもに大学教育などの高等教育を受けさせることが親の生活水準と同等の生活水準を維持させるために必要であるといえる場合は、子どもが大学を卒業するまでは社会的に独立していないとして、20歳を超えていても、未成熟子であると扱われることになります。
他方、高校を卒業して直ちに就職して働いている子どもの場合は、既に社会的に独立しているとされ、18歳、19歳であっても、未成熟子ではないものと扱われます。
次に養育費の金額の決め方ですが、これは次回のブログでご案内いたします。
京都の弁護士鈴木順子の全国裁判所紹介②(奈良地方裁判所)
こんにちは、京都の弁護士の鈴木順子です。
京都では風も強く、体感的にはかなり冷たい空気を感じる一日でした。
京都市内では雪も降っていませんが、これからまだまだ気温は下がってきそうですので、防寒には今まで以上に気をつけたいと思っています。
さて、今日は、京都のお隣、奈良の裁判所についてのブログです。
奈良地方裁判所は、近鉄奈良線奈良駅から徒歩5分程度の距離にあります。
京都の当事務所からですと、京都市営地下鉄烏丸線から竹田駅まで乗って、竹田駅で近鉄京都線に乗り換え、もう一度大和西大寺で近鉄奈良線に乗り換えて、向かうことになります。
奈良地方裁判所は、そのむかいに奈良公園が広がっており、東大寺・興福寺・春日大社がすぐ近くにあります。
裁判所のHPによりますと、元々奈良地方裁判所の庁舎の敷地は天禄元年(970年)に「興福寺一乗院」という当時の天皇家や摂関家の子弟が入室していた門跡寺院が建立されたところで、明治維新後、一旦奈良県庁として使われた後、裁判所庁舎となったとのことです。
平成16年4月に工事着工、平成18年1月10日から使われだしたとのことで、全国の裁判所のなかでは、比較的新しく出来た建物で(とはいっても、もう10年使われていることになるのですが)、とても綺麗です。
奈良公園は建造物だけではなく、多くの鹿達でも有名です。奈良の弁護士に聞くと、裁判所の敷地の中まで入ってくることはないそうですが(ただし、奈良地方裁判所の中に鹿の像はあります。)、奈良地方裁判所に行く道すがらも鹿の姿を目にすることができます。
それでは、また、写真等を撮影しましたら、ブログにあげていきます。