弁護士工藤寛太(京都弁護士会所属)のカウンセラー同席費用立替制度のご紹介

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会所属)。

本日は、カウンセラー同席費用立替制度についてのブログです。

鈴木弁護士が、京都弁護士会の委員会活動についてのブログを書いておられましたが、私は、京都弁護士会の犯罪被害者支援委員会に所属しており、犯罪被害者支援ガイドブックの改訂作業などを行っています。現在、今年の4月から始まった新しい制度である、カウンセラー同席費用立替制度についての改訂作業を担当していますので、この制度についてブログでもご紹介しようと思います。

犯罪被害者の方は、刑事裁判に付随して、又は刑事裁判とは全く別の民事裁判として、加害者に対して損害賠償請求訴訟を提起することがあります。その訴訟について、弁護士と打合せをするときに、カウンセラー(医師や臨床心理士等)の同席を求める被害者の方もおられます。カウンセラーに同席を求めると、被害者の方はカウンセラーに同席費用を支払わなければなりませんが、この同席費用について、法テラスが立替払いをするという制度が、カウンセラー同席費用立替制度です。

法テラスというのは、弁護士費用等の立替払いを行ってくれる国の機関です。弁護士費用というのは基本的に一括払いなのですが、経済的に余裕がない方が法的トラブルに遭った場合には、法テラスが弁護士費用をいったん立て替えてくれます。立替えを受けた弁護士費用は、法テラスに対して、原則月額5000円から1万円の分割払いで返済することになります(もちろん、法テラスの業務・役割はほかにもたくさんありますが、このブログに関係する範囲で、ご紹介しました)。
カウンセラー同席費用についても同様で、立替払いを受けた被害者の方は、法テラスに対して、原則月額5000円から1万円の返済を行うことになります。

もっとも、この制度は犯罪被害者の方であれば誰でも利用できるというものではありません。利用できるのは、①法テラスの援助制度を用いて弁護士等に依頼している、②警察や検察などへ犯罪被害について申告している、③損害賠償命令申立の対象となる犯罪の被害者である(故意の犯罪行為により人を死傷させた罪又はその未遂罪、強制わいせつ、強姦などの犯罪がこれに当たります。)、という3つの要件の全てに当てはまる場合だけです。

カウンセラー同席費用立替制度については、ガイドブック改訂に向けて、私も詳しい運用や要件を勉強している最中です。
もしこの制度を利用される場合は、法テラスにご確認いただければと思います。