京都の弁護士真田千雅子(京都弁護士会所属)の相隣関係紹介
こんにちは、京都の弁護士の真田千雅子です(京都弁護士会所属)。
昨日は、2月11日(水)ということで、私もおいなりさん(浪花 古市庵)を頂きました。初午の日には、「稲が成る(=いなり)」ことを祈願して供えられた油揚げを使った俵型のいなり寿司を食べる習慣があるそうです。
本日は、2月11日にちなみまして、民法211条についてご紹介します。
第211条
前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を
有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も
少ないものを選ばなければならない。
2 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を
開設することができる。
ここにいう「前条」とは、民法第210条のことを指しています。
第210条
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、
その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができない
とき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と
同様とする。
民法210条は、袋地(他の土地に囲まれて公道に接していない土地)の所有者が、公道に出るために他人の土地を通行してよいということを定めており(これを「囲繞地通行権」といいます。)、袋地の所有者が、囲繞地の所有者に対して、囲繞地通行権を主張するには登記を要しないとされています(最判昭47年4月14日)。
そして、囲繞地通行権は他人の所有権を制限するものですので、どのように他人の土地を通っても良いということにはならず、「通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないもの」でなければならないとされているのです。
日本は、多くの住民が密集して居住していることから、近隣住民との関係は日常生活を送る上でとても重要なものといえます。
民法は、こういった相隣関係について争いごとを予防するため、隣接する土地所有者相互の利益を調整する規定を置いているのです。
隣人や近隣住民との関係でお困りの方は、当事務所までご相談ください。