弁護士鈴木順子(京都弁護士会所属)の少年事件活動

こんにちは、京都の弁護士の鈴木です。

学生さんは夏休みの時期ですので(もうそろそろ新学期を迎えている学校もあるようですが)、京都の市内では多くの子ども連れや浴衣姿の学生グループをお見かけします。

 写真はちょうど京都三大祭りの一つ、祇園祭のころのものです。写真ではわかり辛いですが、子ども達もたくさんいて、お祭りを楽しんでいました。

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多くの弁護士は、弁護士の業務として子どもに接するのは、少年事件を担当する場合ですので、今日は少年事件のブログです。なお、京都弁護士会の委員会活動では、出前授業や法廷傍聴の引率などで、子どもに接することがありますが、それは別のブログでお話します。

 

少年事件とは、以前別の記事でも申し上げたとおり、20歳未満の未成年者が起こす刑事事件などを総称するものです。

少年事件のスタートは、まずは少年と会うことです。どこで会うかというと、ほとんどの場合、警察署の留置施設か、少年鑑別所で会います。初めて会ってする話の内容自体はほとんど変わらないのですが、警察署の留置施設の場合、少年と弁護士との間にアクリル板(TVなどのサスペンスなどで、逮捕された容疑者と面会する場面に出てくるものと同じです。)が設置されていますが、少年鑑別所で接見する場合にはアクリル板などの遮蔽物なしに、少年と直接面会することができます。

私も何度か少年事件を担当してきましたが、いつも最初の面会の際には、どういった話をしようか、どういう雰囲気を出そうか、かなり悩みます。多くの刑事事件でもそうなのですが、少年が自分で弁護士を選んでいるわけではなく、当番弁護(刑事事件において、1回無料の法律相談を受けられる制度です。毎日複数の弁護士が待機しており、弁護士会から要請を受けると、警察署などに面会に行きます。)により派遣された弁護士がそのまま付添人(少年事件を担当する弁護士はこのように呼ばれます。)になるケースが多いため、少年が、初めて会った弁護士に対して、非常に強い警戒心を抱いている場合が少なからずあるからです。少年の更生のためには、弁護士も、出来る限り早い時期に、少年自身のことを、少年自身に話してもらう必要があるため、強すぎる警戒心はできるだけ早く解いてもらいたいのですが、その鍵になるのが最初の面会なのです。私自身、何度も面会を重ねた後に、少年から、「先生が一番最初に○○って言ってくれたから、この人なら話しても大丈夫だって思ったんです。」という話をされた経験があります。ただでさえ、逮捕・勾留直後で混乱している少年と話をすることになるため、どうしたら少年が話しやすいと感じるだろうか、といつも考えています。

少年事件において、弁護士は、「弁護人」ではなく、「付添人」という名前で関わっていきます。最初から最後まで、少年に「付き添い」、少年の更生のために出来る限りを尽くす・・・その第一歩が最初の面会ですので、いつも悩みながら、出来るかぎり話しやすい空気を作れるよう心がけています。

こういった心がけは、普通のご相談の際にも活きたと感じることもあるのですが・・・、これもまた別の機会にブログにさせていただきます。