弁護士工藤寛太(京都弁護士会)がご紹介する、弁護士等が用いる略語

京都の弁護士、工藤寛太です(京都弁護士会)。

本日は、弁護士等の法律関係者が用いる略語についてのブログです。

法律を勉強している学生や、大学法学部の教員、弁護士等の法曹は、一般的には使用されていない固有の略語を使います。もちろん、各自の略語、各弁護士事務所の略語もあると思いますし、略語なんて使わないという方もいらっしゃるかと思いますが、ここでは法律関係者がよく使っている略語についてご紹介します。

まず、法律とは無縁の方々からよく笑われるのは、憲法の「憲」の略字です。法律関係者は、「憲」という字を、うかんむりの下に「K」と書いて略します。最初は私も、「妙な略字だな」と思っていたのですが、使っているうちに愛着が湧いてきて、とても愛らしい字に見えるようになりました。                 弁護士になると、「憲法」と書く機会はほとんどないので、この略字を使うことは少なくなりましたが、憲法を勉強していた受験生のころは、よく使っていました。

続いて、人の略語です。                           裁判官はjudgeの頭文字である「J」、検察官はprosecutorの頭文字である「P」と略されます。では、弁護士は何か。lawyerの「L」でしょうか、attorneyの「A」でしょうか。

答えは、「B」です。

この「B」が何の頭文字なのかということは、私たち弁護士の間でも議論があります。まず、シンプルに「弁護士」の「B」だという説がありますが、裁判官及び検察官が英語であることを考えると平仄が合っていませんし、何よりかっこ悪いので、「弁護士」の「B」だとは思いたくありません。

「弁護士」の「B」だという説のほかには、イギリスの法廷弁護士であるbarristerの「B」であるという説や、弁護士という意味を持つbarという単語の「B」であるという説があります。日本弁護士連合会がJapan Federation of Bar Associationsと英語表記されていますし、barの「B」であるという説が一番有力だろうと私は考えています。

ほかにも、被疑者・被告人はaccusedの「A」、被害者はvictimの「V」、目撃者はwitnessの「W」と略します。検察官、弁護士及び裁判官が、裁判において被告人に質問する被告人質問は、「AQ」と略したりします。

最後に、警察官は「K」と略します。これも、弁護士のbarやbarristerのような英語があるのかと思って調べましたが、どうやら「keisatsukan」のようですpolice officerでは検察官と同じ「P」になってしまうので、仕方ないのでしょうか。